伯爵は聖乙女にキスをする / ゆりの奈櫻

本の感想, 作者名 や~わ行・他ゆりの奈櫻

平凡なはずの女子高生・真梨は亡き父がフランス名家リス家の出身で、彼女がリス家唯一の跡取りであるということを知る。ジャンヌ・ダルクの血筋につながるリス家の女子は不思議な力を持つと言い伝えられており、その力を狙う一団から母と自分の身を守るためにフランスに向かった。

ヨーロッパを舞台に繰り広げられる前世の恋をからめたロマンスでした。たぶんいわゆるハーレ○イン風。

ジャンヌ・ダルクの記憶を持った少女と、ジャンヌ・ダルクにかかわる人々の前世の記憶を持った二人、そして謎のイケメンプレイボーイが繰り広げるラブロマンスでしたセレブラブ。タイトルまんまのお話でした。そして一人が報われなさすぎて泣ける。
ヨーロッパの有名都市をジャンヌの残した秘密アイテムを探して駆けめぐるお話を軸に、前世の記憶を思いだし、そして現世でも同じ相手に惹かれるという前世モノの王道……?な道をひたむきに走っていた印象。
物語開始前から記憶を持っていた相手役はともかくとして、ジャンヌの記憶を思い出した真梨がすとんとその記憶を受け入れてたのが若干腑に落ちませんが……相方が前世に引きずられて自分を求めているんじゃないだろうかとかそういう乙女心はいいですな。少女小説。

最後のオチとあの人の真実とかにはええ!とびびったりしましたが、それ以外は王道的に楽しく。個人的には現世より前世のジャンヌ・ダルクの恋物語がツボすぎるわ!(悲恋っぽいのは苦手だけどでも!)と思ったり。これも、前に感想書いた魔王子と同じくえちいシーンはすっ飛ばしても大丈夫系。むしろ、最後の最後のは蛇足だととても思ってしまいました。

img伯爵は聖乙女にキスをする
ゆりの奈櫻/氷栗優
ティアラ文庫(2009.06)
ISBN:978-4-8296-6504-6
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