身代わり伯爵の失恋 / 清家未森
未だかつて全編にわたってリヒャルトがへたれなかった巻があろうか(いやない)。しかし今回はその常識をも打ち破った……のかな?
※私基準では全くネタバレしてませんが、ネタバレ気にする人は続きは回避した方が良いと思います。
身代わり伯爵9巻(含外伝1冊)目でシアラン編クライマックスの巻。
大公の秘密が明かされたり、ウォルター伯爵の目論見や「伯爵令嬢」の嫁入りのにまつわる陰謀が明かされたり、リヒャルトが着実に陣営を固めていったりといろいろと前進があって、シアラン編の着地点はどうなんだろう?ととても楽しみな展開でした。
しかし、それ以上に目の錯覚かと疑ったリヒャルトの男前っぷりにゴロゴロしました。ヘタレじゃなかった!床ローリングでご飯五杯くらいいけるニヤニヤ度にとても疲れました。今回は序盤はわりとおとなしめだったので外で読んでも大丈夫かなぁと思いましたが、中盤からダメです。頬のゆるみにとても注意。
吹っ切れたリヒャルトの一方で、ええええそれはミレーユちょっと鈍すぎるというか周囲の洗脳がすごい、と思う展開でしたが、えー、めでたく、の展開なのにやっぱりすれ違いなので次の合流ポイントがどんな状況なのかがとても気になります。すれ違いはこのシリーズの醍醐味みたいなもんで一筋縄ではいかないとは分かっていましたが……。
やっぱりどこかかっこいい第二王子とか(捨て台詞が最高だ)、目覚めた第五師団(オプション:主役カップルの関係にとても悩む)とかも良かったなぁ。主役の行く末も気になるけれど、お兄ちゃんは大丈夫かなぁ(でもきっと意味不明のキラキラで乗り越えてそう……)といろいろ気になることが多すぎるので、続きがとても楽しみです。
身代わり伯爵の失恋
清家未森/ねぎしきょうこ
角川ビーンズ文庫(2009.07)
ISBN:978-4-04-452409-8
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