アネットと秘密の指輪 お嬢様とロンドン塔の王子 / 雨川恵

本の感想, 作者名 あ行雨川恵

それなりに順調に社交界の付き合いをこなすアネットは、「ロンドン塔に幽閉されている旧王家の王子」の噂を聞く。旧王家の生き残りがロンドン塔にいるはずがないと知っているアネットだが、気になって仕方がない。そんな折、何かとアネットにちょっかいをかけてくる王太子ととある「取引」を行い、ロンドン塔の真相を二人で探りに行くことになるのだが……

中盤まで:シャーリーお嬢様のターン。終盤:王太子のターン。

下町育ちのお嬢様が憧れの執事のためにがんばるお話4作目。
前回、妙な存在感を示してた顧問弁護士ユージンの妹である兄大好きな妖精さん・シャーロットがとてもかわいく素敵でした。素直になれない女の子ってかわいい。あからさますぎてかわいい!一巻丸ごとシャーリーとアネットでも全く問題なかった!(注:個人的な好みです)。女の子がきゃっきゃうふふと友好を深めていくお話は大好きです。

さて、お話自体は王子様と旧王家の亡霊の真相を確かめるところがメイン、ですが、最後のちょこっとだけかな。アネットが執事のリチャードのためにあれこれとがんばる姿がかわいくて、そんなアネットにほだされてるやろリチャード、と思ってたら最後の最後にがつんと来ました。これは次巻が楽しみです。今回、お嬢様と王子様に隠れてリチャードの影が薄かっただけに(アネットがデレデレしているおかげで存在感はあるんですが)、次の彼の動向とアネットの奮闘が楽しみ。

あ、あと。シャーリーのツンデレは絶対父親譲り。

imgアネットと秘密の指輪 お嬢様とロンドン塔の王子
雨川恵/風都ノリ
角川ビーンズ文庫( 2009.07)
ISBN:978-4-04-450713-8
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