悪役令嬢ヴィクトリア / 菅原りであ

本の感想, 作者名 さ行菅原りであ

紅茶屋のオーナーを務めるご令嬢ヴィクトリア。彼女の店は順調に人気を博していたが、ある日近所に伝説の紅茶店が復活開店する。客を取られるだけでなく、ヴィクトリアの店にまつわる不名誉な噂まで流れてくる始末。ことの顛末を探ろうと件のヴィクトリアは件の紅茶店に潜入することにする。

まさかのコラボレーション:縦巻ロールお嬢様+メイド喫茶

第3回小学館ライトノベル大賞ルルル文庫部門優秀賞受賞作。
負けん気の強い元気なお嬢様が店の名誉と客を取りもどすべく、仲間の従業員+仲良くなった謎の青年と立ち向かう話。「悪役令嬢」というタイトルから想像していた話(残虐非業なお嬢様があれやこれやとする話)とずいぶん方向性が違いました。悪役令嬢というのもこの話の中でついてものだったとは!(通り名とばかり……)

ヴィクトリアは正義感の強い気持ちのいいお嬢様。脇を固める従業員も個性的で面白い。そして謎の青年の(ベタながらの)謎っぷりと最後のヴィクトリアとのやりとりにニヤニヤしたり。わかりやすい悪役がわかりやすく成敗されていくのは気持ちがよかったです。
現代だけど陸の孤島のような体制を取っているため古き良き時代の名残そのまんまとか(観光客年間100人とか携帯電話無いとかちょっといろいろ疑問点が……)、ヴィクトリアの「あたくし」が若干気になりったりいろいろつっこみたいところはありましたが、細かい所をあんまり深く考えないですっ飛ばすと、勢いがあって面白いかと思います。個人的には結構好きだなぁ、紅茶おいしそうだし。

悪役令嬢ヴィクトリア
菅原りであ/増田メグミ
小学館ルルル文庫(2009.10)
ISBN:978-4-09-452129-0
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