少年巫女姫と龍の守人 / 華藤えれな

本の感想, 作者名 か行華藤えれな

大正時代、その出自から孤島の牢獄で一人閉じこめられていた少年依月の元に九鬼と名乗る青年が訪れる。九鬼は、妖魔に襲われ意識不明となった姉の身代わりとして「巫女姫」として依月を迎えに来たという。依月を必要とするという九鬼の言葉を信じ、東京に行くことを決意した依月だが、姉を襲った妖魔の魔の手が依月にも忍びよる。

な、なんでおとこのこなんだ……!

ハシモさんに呼ばれて飛び出て読んでみた本作。主人公が女の子じゃないことが本当に悔やまれます。女の子だったら直球ドスレートでそのままホームランなのに……!

姉が目覚めるまでの身代わりだとは理解しつつも、初めて手に入れた「居場所」で役目を必死に果たそうとする主人公。そして主人公を見守り導く「耐えるのが仕事です」というような守り役と何というか涎が止まらない設定なのですが。「少年」巫女姫なので最初から男の子とは分かっているのですが!双子の妹だったらどれだけキュンキュンできたことでしょうか……!話の展開的に、女の子で困ることってあんまりなさそうな気がするんですよねー、(巫女の資格として、女ならだれでもいいっちゅうもんでもなさそうなので。双子=忌むべき存在→妹が密かに育てられるとかでもいけそうな気が)。BLっぽい描写というか、どんぴしゃな所はないのでBLが駄目な人でも読めるかもしれませんが、若干あやしい所があったのも事実。……女の子ならとても萌えた。

「忍」の一文字の守り役もかなりツボでした。ストイックな護衛のひとって好きです。しかし、おねえちゃんが倒れるまでは高飛車巫女に邪険にされ、その後は一歩間違えればBLとなんとも不遇な守り役……。

img少年巫女姫と龍の守人
華藤えれな/桜キリ
一迅社アイリス文庫(2009.10)
ISBN:978-4-7580-4107-2
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