ヴァンパイア執事 お嬢様と薔薇の誓い / 入皐

本の感想, 作者名 あ行入皐

ダリウスの神学校時代の恩師が失踪し、その捜索に乗り出したダリウスとレイラ。初めてダリウスの過去を知ったレイラは、彼の昔の恋人の存在に心乱れる。捜査を進めていくうちに、ダリウスの警邏兵時代の恩人までもが事件にかかわっていることが分かり……

え、ダリウスって気付いてなかったの?って思いました。

相変わらず焦らす焦らすヴァンパイアの執事様とお嬢様の物語。端から見れば両想い以外の何者でもないのに、それぞれの立場から想いを告げられないので二人して悶々と……とこのすれ違いがたまらない。二人とも言っちゃえば楽になるのになぁ、とむふふと笑いをかみ殺しておりました。

ダリウスの因縁の相手との手に汗握る対決や、信仰を揺るがす「神の子」の存在などあっと驚く真実が示されたりとなかなかの盛り上がり。最後の方は「俺たちの戦いはまだ続くぜっ」というようなノリだったので、もしかしてこれで終わりかとちょっとびっくりしましたが、そうでもないらしく。すれ違いカップルのニヤニヤすれ違いをまだまだ見ていたいので、続きも出るといいなぁ。

imgヴァンパイア執事 お嬢様と薔薇の誓い
入皐/池上紗京
一迅社アイリス文庫(2010.03)
ISBN:978-4-7580-4144-7
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