翼の帰る処3 上―歌われぬ約束― / 妹尾ゆふ子
順調に隠居から遠ざかっております!
隠居が夢のくせについつい困っている人を見ては放っておけない苦労人で病弱な37歳文官ヤエト(本人の意思に反して出世街道まっしぐら)のお話。今回はヤエトさんの「知るかボケ」をはじめとする心のツッコミがすばらしかったなぁ!でも、ヤエトさんはきっと最後まで口にできないんだ……もしかしたら最後の最後に皇帝に直に言うとかそんなおちかもしれないけど……。
冒頭からぶっ倒れているのに次から次へと様々な「案件」が持ち込まれ、それについて考えを巡らしつつ「知るかボケ」のヤエトさんに(いつもと違った意味で)にやにやしてしまいました。なんやかんやで面倒見がいいから頼っちゃうんですよね。そんな中でも皇女はもちろんのことセルクをはじめとする北嶺の人々がヤエトからちょっとだけ自立(笑)していっているように感じるところは、みんな成長しているんだなぁと感慨深いものがありました。……成長しても問題がだんだん高度化していってるので、結局は助けてヤエト先生!状態になっちゃうんですが。
今回の大問題は皇妹の「申し出」と北方の「申し出」。北方の「申し出」については帝国の派閥争いも大きく絡んでいるようで、どうつながっているのか想像がつかないだけに気になりすぎます!もちろん皇妹の申し出をどうかわすか(か、かわしますよね!)というところも興味津々すぎます。今回は連続刊行じゃないので続きがすぐ読めないという焦らされ感はありますが、でもその間に既刊を全部熟読しておけと言うことですね……!がんばります。
あ、あと雛かわいいよ雛。無意識にあまやかしているヤエトに笑った。私ももふもふしたい!