嘘つきは姫君のはじまり 寵愛の終焉 / 松田志乃ぶ

本の感想, 作者名 ま行松田志乃ぶ

東宮との別れを決意した宮子は里下がりに乗じて後宮から姿を消すことにするが、里下がりから必ず帰るようにと東宮に念押しをされる。そして一旦里下がりをした宮子は、中宮の力を借りることを決意し……

東宮に入力できるコマンドは「ガンガンいこうぜ」だけなのか……

シリーズ8冊目で、宮子ついに決意する、の巻。しかし、振られ振った関係なのに、なんでこんなに、お熱いんだ……とかそんな疑問もありますが、とにかく物語が大きく動きました。そして、今回ミステリーしてません。

東宮の激しい感情、そして真幸の包み込むようなやさしさと、どちらも宮子を想っての愛情なだけに、それにはさまれる宮子の苦悩がつらいです。そしてたぶん東宮もなんか気付いちゃってるしなぁ、さとい東宮のことだから真実に近いところに気付いてるんじゃないかな、と思いますが果たしてどうなるんでしょうね。
一方、我らがヒーロー蛍の宮に関しては「彼女」といい組み合わせじゃないのかな……とほっと一安心してしまいました。儀式以上のことはないとかいいながら、なんのかんので収まってしまうといいと思います(妄想)。しかし、短編で登場した彼女関係については、この文庫本に短編が収録されているとはいうものの、この短編を先に読んだ方がいいですよね。ということで、途中まで読んでもしや、と思い先に短編読んじゃって正解でした。短編は巻末収録だけど、先に読んじゃった方がいいです。

恋する東宮は果たして暴走するのか、史実通りだとどうやら不穏らしくどうなるのかとか続きが待ち遠しいです。

img嘘つきは姫君のはじまり 寵愛の終焉
松田志乃ぶ/四位広猫
集英社コバルト文庫(2010.08)
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