ヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと月の降る城 / 青木祐子

本の感想, 作者名 あ行青木祐子

母と共にスコットランドに渡ったクリスを追って、シャーロットは単身クライン卿の城に乗り込む。一方、クリスはギルレイに命じられ、クライン卿の一人娘リコのドレスを作ることになるが、その前にクライン卿の奥方で女優のコルベールのために『カサンドラ』の舞台衣装を作り直すことを決意する。

男性陣が格好良かった一冊。

闇のドレスと恋のドレスの真相にぐぐっと近づき、記憶にある限り一番盛り上がったんじゃないかなぁ?と思ったシリーズ最新刊。
クリスもがんばったけど、シャーリーもがんばった。そして、アントニーはがんばれ。きっとまだまだいいことあるよ。(今までまじめに読んでなかったせいもあるけど)ジャレッドの思わぬ高スペックぶりにこういうの好きだ!って思いました。

盛り上がってたいへん燃えた(注:今回は漢字の通りです)のはいいんですが、やはりこのシリーズを読んでいるとなんとなくもやもやっとした気分になってしまいます。今回の場合はリコ。白か黒かはっきりしているのが好きなタイプなので、何ともいえない灰色の部分に悶々するというか、「高貴」ゆえの残酷さが読んでいて辛いというか、若干調子っぱずれている様子を読んでいるのが生理的に合わないというかなんというか。そして、今回うまく収まったように見えて、クライン卿サイドの女性陣の顛末が不明なのでまだまだシャーリーは苦労しそうです。引き続き、がんばれアントニー(シャーリーのおもり的に)。

imgヴィクトリアン・ローズ・テーラー 恋のドレスと月の降る城
青木祐子/あき
集英社コバルト文庫(2010.06)
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