天色のソノリテ / 童本さくら
急死した父が女子高生の音々に残したのは、1億円の借金と経営の傾ききった所属声優3名だけの声優プロダクション。父の借金を返済するため、プロダクションの社長業を継ぐことにした音々だが、右も左も分からない世界で四苦八苦する。
ゲームみたいな世界だね!(というかゲーム)
乙女ゲームのシナリオライターもされているという作者さんの、乙女ゲームのような物語でした。……たまには、現代物なんかも読んでみようかなって思って……。
急に社長業に目覚めた元気な女子高生と、問題有りの三人の声優さんのドタバタコメディなんですが、それぞれ個性が合って面白かったです。女性を蕩かす甘い声の持ち主だが放浪癖があって自分の気に入らない仕事はしない暁生、流血嫌いなしっとりとした声の持ち主青司、そして上がり症ゆえになかなかデビューできない光晴と、音々が発破をかけて仕事をもぎ取って来るもなかなかうまくいかない模様が三者三様で面白かったです、が、割にさらっとというか、あらすじ的に進んでいくところがあるのでもうちょっとがっつりしたものを読みたかったかもです。
出だしの段階から、それだけ多額の借金なら伝家の宝刀(?)抜けばいいのに……と若干悶々としていたのは事実なんですが、最後まで読んで不満は払拭。そういうオチか!と笑ってしまいました。勉強というか、調べるの大事。