魔法書の姫は恋をする はじまりのキス / 薙野ゆいら

本の感想, お気に入り, 作者名 な行薙野ゆいら

行方不明になった最愛の兄を捜すため、コネを遣い大学に無理やり入学したソフィアは、兄の残したメッセージを元に、大学図書館に本拠地を置く秘密結社・闇の書庫に入会する。そこでいきなり「護書官」を拝命したソフィアは、これ幸いと兄の手がかりを求めて調査を開始する。そんなソフィアの周囲には、同じ「護書官」であり「騎士」でもあるアレクシスがいて……

おもしろかったー!兄好き本好きのソフィアがかわいい。

不思議な本を巡る秘密結社と秘密結社の攻防に巻き込まれる、古き民の血をひくソフィアが暴走しつつも、有能な次女と好青年(ただし、なんか知らんけどソフィアに付いてくる;真相は物語の後半で!)の力を借りて行方不明の兄を捜すお話でした。

まずは、お兄ちゃんモノ好きとしてこれは外せない!点であるお兄ちゃんが面白かったです。このお兄ちゃんは妹好きが高じすぎて、妹がかかわるとおかしくなるタイプで味があっていいですね。妹がかわいく暴走タイプで、お兄ちゃんも妹が絡むと暴走するタイプ。まさしく兄妹。物語のヒーローポジションのアレクシスも、帯には「ストーカー」とか書いてありますがそういう表現がもったいないほどの一途な想いを胸に颯爽とかっこいいタイプでよいです。ただし、お兄ちゃんには確実に負けてて、踏みにじられそうだけど!有能な侍女ネリーの謎の有能さもまだまだ引出がありそうで楽しみです。勝手にシリアスなお話かと思っていたんですが、結構笑えるところが多くてこれまた楽し(主に暴走絡み)。

闇の書庫が集める真書とそれを狙う別の組織の攻防も面白いし、何より小動物が!かわいくておいしいポジションです。兄様+侍女だけの世界だったソフィアの世界がだんだん広がって、アレクシスも気になってと変わっていくソフィアの次の物語も楽しみです。

img魔法書の姫は恋をする はじまりのキス
薙野ゆいら/もぎたて林檎
角川ビーンズ文庫(2011.05)
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