花狩のロゼ 歌姫は薔薇を殺す / 夕鷺かのう
花が人を喰らうという「花嵐」によって、クロードは初恋の少女ロゼを失う。その後、成長したクロードは幼い頃の約束のため、「花」を狩るために「女」しかなれないはずの「歌姫」になるべく、ロゼとして女装して楽院に通っていた。そこでクロードは、「舞手」の不思議な(まるで)野生児のノワールと出会うが……
これはいろいろツボが多すぎる!(=ツボッた)
一癖も二癖もある登場人物が織りなす物語を紡がれる夕鷺さんの新作は、女装でした。幼い頃の約束を果たすべく、美形青年が薬飲んで年齢詐称して女装して「歌姫」になるべく奮闘する物語。嫌だ嫌だといいながら、やるからには本気のクロードが女装しても格好良く見える不思議。なんでも一生懸命とはいいものだ。
あまり癖の強い登場人物はいなかったのですが(今のところ)、今のところの登場人物がどの人も素敵で面白かったです。主人公のクロードは言うに及ばず、相棒のミュゲ、不思議な教師(鳥付)に想像と違っていいアネゴのベルに野生児ノワール。このノワールは想像通りのポジションだったんですが、いろいろ胸キュンですね!なにがどうなってそうなった!と妄想も膨らむので(今回あらかたあかされてますが)続きも是非是非出していただきたいです。そう、それぞれがその正体に気付くまではできれば!お願いします。
花が人を食べるという世界で、かわされた約束。そして一度はめちゃくちゃになったその約束のために全力で立ち向かっていく主人公と根本の部分も非常に熱く、血潮沸き立つ系統で読み応えがあるように思います。これは本当に続きが出ないと泣きたくなるくらい気に入ったので是非続きを。