聖グリセルダ学院の試練 / 鮎川はぎの

本の感想, 作者名 あ行鮎川はぎの

王太子領の離島への臨海学校で、凄腕の神武官に「ある勝負」を挑むことになったティエサとキアス、そしてフィム。限られた時間で勝たなくてはならないのに、臨海学校を中止に追いやりかねない事件まで勃発してしまい……

交換日記に書ける情熱。

シリーズ4冊目は島への臨海学校のお話。そこでフィムの人生を決めるある勝負事が繰り広げられて、さらにある聖剣の巫女の秘密が……というお話でした。
前回めでたく両想いになったティエサとキアスの「交換日記」に関する攻防も必見です。ノギザ村伝統の交換日記を果たしてキアスは受け入れるのか……!ここのところは読んでからのお楽しみ、ということで。この伝統の交換日記のはじまりがちょっとだけ語られていましたが、ここのところだけで一冊程読んでみたい程度に転がりかけました。なんておいしいんだ!

鳥さんの秘密に主様の過去といろいろなことも明らかになってこちらも盛り上がりました。主様にそんな過去があっただなんて。今のみんなの祖父ポジションはネタ的に面白いだけじゃなくて、うっかりええ話やとしんみりしてしまったではないですか。

そして最後の最後にキアスのお兄ちゃんの爆弾発言で以下続刊、最終巻を待てと言う生殺し状態なんですが、連続刊行でもう出ているのでさっさと読んじゃいたいと思います。前シリーズと違ってイマイチ着地点が見えないのですが、どこに落としどころを持って行くのか、そしてキアスはティエサのお兄ちゃんに勝てるのか!といろいろ楽しみです。

img聖グリセルダ学院の試練
鮎川はぎの/凪かすみ
小学館ルルル文庫(2011.09)
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