聖グリセルダ学院の卒業 / 鮎川はぎの
キアスの兄である王太子クラウの爆弾発言により、学院を舞台にクラウの公妾選びが開かれることになる。主家の命でティエサは選考会に出なければならないが、学友達と共に選考会を中止させるために動き出す。一方、キアスは独自にクラウの動きを探ることにするが、クラウの元には意外な人物がいた。
えらくきれいにまとまった最終巻でした。
暗殺者の卵ティエサが「普通者」になるべく学院で普通のふりをするが、内乱がおわったところの国ではそうもうまくいかなくて…というお話最終巻。
学院のために、友のためにと団結して立ち上がる「戦乙女の会」はよいですね!頑張る女の子と女の子の友情はよいものだ。そして、なんやかんやとティエサを見守るキアス君の気苦労というか、男前っぷりが頼もしかったです。
シリーズを通して非常の楽しめたことは確かなのですが、学校が舞台のせいか、最後の最後は陰謀面でちょっと(というかかなり)物足りない閉め方だったのが残念かな。途中、もっと話が広がるかなっていうところもあったんですが。そして最後の後日談、個人的には後日談がとても好きなので大変おいしく頂きましたが、予想外にカップル大製造でそこまでのサービスは要らなかったかも!と思ったりとかなんとか。いえサービスなんでいいとは思いますが!
絶え間なく刊行が続いて、どんどん続きが読めるのもいいことですが、もうちょっとじっくりお話を進めていただいて十分楽しめる作家(コンビ)さんだと思いますので、次シリーズはもうちょっと煮詰めたお話が読んでみたいかなぁ。