銀の竜騎士団 恋するウサギは密猟禁止 / 九月文
シリスの命令でしばらくの間国境近くの砦エルヴァの赤竜隊の応援任務につくことになったシエラ(ルーシェ)は、亡くなった父親と同期の赤竜隊の隊長グレンにかわいがられる。一方、ルーシェが目の届かないところに行ってしまったことにより否応なく自分の気持に気づいてしまったスメラギは、予定を前倒しにして定例会議の開かれるエルヴァに向かうことにする。
早っ!
王女様が身分隠して竜騎士団で修行してて、そこで王女様のお世話係になっちゃった若い隊長さんが「なんでお前そこで王女って気づかない!」というくらいの鈍感ぶりを各巻で発揮しつつ、お互いなんだか気になっちゃって…というお話の第3巻。スメラギさ……とか、王家の皆さんの遺伝なのねぇとか、いろいろな「早さ」にニヤニヤした一冊でした。
このシリーズで一番不幸なのは間違いなく、「鈍感な上司と純情な同僚と腹黒な大ボス」に囲まれたカイトくんだと思うんですが、彼の心労がまた重なりそうな展開でこれまた笑ってしまいました。果たして、彼は無事叙勲されるのでしょうか。大変といえば、帝国との関係にスメラギの過去も複雑に絡んできそうで、こちらも大変そうだなぁ。早い早いとは言っていますが、全般的にはどんどこといいかんじにスピーディーに展開して行っているので、次も楽しみです。
銀の竜騎士団 恋するウサギは密猟禁止
九月文/明咲トウル
角川ビーンズ文庫(2012.01)
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