眠れない悪魔と鳥籠の歌姫 / 瑞山いつき

本の感想, 作者名 ま行瑞山いつき

闇オークションの品物として出品されてしまったニーナをどさくさに紛れて助け出したのは、悪魔に取り憑かれてしまった超絶美青年のアルド。ニーナの歌の力で悪魔を押さえることができるらしく、悪魔を祓うためにニーナの助力を得たいというアルドの慇懃無礼な依頼に、ニーナは力を使うことを了承する。

丁寧語でなかなか素直になれないとか……おいしい、おいしすぎる。

なかなか気の強い盗賊育ちのお嬢さんニーナ(ただし、教育方針から盗賊家業には関わっておらず)と、悪魔をその身に封印されてしまい、なんとか元に戻りたいとニーナの力に頼ることにした、顔と口調はいいが発言がひどすぎるアルドの物語。最近丁寧語に非常に心惹かれるものがございまして……よい丁寧語キャラでした。

ニーナとアルトの掛け合いや、二人の距離が徐々に縮まっていく様子が面白かったです。悪役さんは個人的に若干微妙だったんですが、アルドサイドのあの人やこの人が面白くて。なんと、そんな秘密が!と終盤のたたみかけ具合(といいますか、アルドの企みがあかされたところあたりから)が非常に面白かったです。こういうの、好きだなぁ。

img眠れない悪魔と鳥籠の歌姫
瑞山いつき/カズキヨネ
一迅社アイリス文庫(2012.03)
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