恋の因果律 裏切り者の恋の詩 / 緑川愛彩

本の感想, 作者名 ま行緑川愛彩

その多才さで「才女」ともてはやされ、サロンで人気の伯爵令嬢マリオンだが、久しぶりに再会した幼馴染のジルが大嫌いな軍人になっていることを知り、ジルと一方的に絶交してしまう。しかし、ある日ジルがマリオンに宛てたらしい手紙を見つけたマリオンは、ジルの真意を尋ねるためにジルを追いかけてマリオンの故郷に向かうが、久しぶりに戻った実家は軍に徴収されていた。

じれじれ幼馴染。

新シリーズとのことでチャレンジ、元気で多彩で可愛らしけどかなりずれているお嬢さまと、彼女の幼馴染の元流浪の旅人の一族ジルのなんとも切ない恋物語。ある理由からジルがマリオンを避けているんでが、その理由と黒幕周辺が(あの人しかいないといえばいないんだけど)、なかなか読み応えがありました。
そして前作(1冊しか読んでないんですが)に引き続き、王子さまが若干狂気の世界で生きておられる方で……。彼の背後を聞くとなるほどなぁと思うのは確かですが、個人的にこういう方は苦手なので、ジル頑張れ、超頑張れと思いながら読んでいました。

マリオンのずれているところ等、若干読みながら合わないなぁと思ったところがあったのは事実ですが、そしてストーリーに物足りないところもあったのですが、お話自体は結構好きな部類で、要所要所に挟まれるくすりと笑える部分も結構面白かったかも(特に、ジルの同僚関係)。

恋の因果律 裏切り者の恋の詩
緑川愛彩/日吉丸晃
ビーズログ文庫(2012.10)
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