橘屋本店閻魔帳 永遠の愛を誓わせて!(下) / 高山ちあき

本の感想, 作者名 た行高山ちあき

茨木童子に瀕死の重傷を負わされた美咲は、<十六夜の里>で不思議な老妖怪乙斗に助けられる。乙斗の世話をしながら里と外部がつながる時を待つ美咲は、次第に里での生活に馴染んでいく。一方、行方不明になった美咲を探すために、弘人は茨木童子とともに<十六夜の里>に向かうことになる。

なんのかんのと大団円。

絶体絶命の美咲の命運やいかに、というところで最終巻を待て状態だったシリーズ最終巻。最後の最後のラスボスは、ラスボスという位置付けなのかはちょっと疑問が残りましたが、<十六夜の里>の仕組みやなんやかんやは、よくできてるなぁと感心いたしました。

妖怪の倫理観と人の倫理観がだいぶ違うので、悪役に対する処遇がイマイチ納得行かない感はあるのですが、そのあたりを含めてこのシリーズの味だなぁ、と思いました。たとえ、シリーズの最後の最後はヒーローよりもヒーロー兄の方がなんとなくかっこいいような気がしなくもない、そんな展開でしたが、すっきり綺麗にまとまってよかったです。

橘屋本店閻魔帳 永遠の愛を誓わせて!(下)
高山ちあき/くまの柚子
集英社コバルト文庫(2012.05)
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