宮廷神官物語 鳳凰をまといし者 / 榎田ユウリ

本の感想, 作者名 あ行榎田ユウリ

互いが一歩も引かない麗虎国で勃発した王位継承争い膠着状態に陥る中、隣国から大使が訪問するという急報がもたらされる。麗虎国にも大きな影響をもつ大使の訪問に、曹鉄が大使を出迎えの一団を率いることになる。一方、突如として判明した「第一王子」のウラをとるために極秘に動いていた鶏冠は、重大な証拠をもつ人物と面談の約束をとりつけるが……

クライマックスに手に汗握った。

王位継承争い問題のおとしまえ編。この大使関係の人、いいキャラしてるわー絶対(ネタバレ)やろうなーと思っていたら案の定で勝った気分になりました。このシリーズに限って言えば、私の感は冴え渡っています。と、どうでもいいことは置いておいて。もうこの巻は鶏冠の芯の強さに惚れ惚れせざるを得まい!というような展開で楽しかったです。男同士の暑苦しい友情っていいなぁ。限りなくBL臭いんだけど、これはBL臭くてもいいわぁ。こういうの好きだわぁ……。丸く収まってよかったです。丸く収まったといえば、櫻嵐さまのオトコマエぶりと微妙な乙女心も良いものでした。うん、これは私期待持っていいとおもうんだけど!(完結までに決着着くことはないとは思いますが)

しかし、黒幕のうちのおひとりが、なんというか、生き方が殺伐としすぎているというか目的はそっちだったか!というかなんというかで非常に怖いです。この人、ヤンデレだった……!そしてまた次に用意された鶏冠への罠の数々が。全速力で逃げ切ってほしいものですが、果たして。

宮廷神官物語 鳳凰をまといし者
榎田ユウリ/カトーナオ
角川ビーンズ文庫(2010.12)
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