革命は恋のはじまり~絡まる希望と途切れぬ想い~ / 小田菜摘

本の感想, 作者名 あ行小田菜摘

教員養成のための研修に参加することになったナクシュデルだが、研修会に参加しているご婦人方は上流階級の少し年上の方々ばかりで、しかもナクシュデルの「黄金の寵妃」の肩書から敬遠されてしまうが、彼女に妙に構ってくるアイオリアという婦人にあれこれと構われる日々を過ごしていた。

弟たちの苦悩が……(こういうの大好きです)

自分の進むべき道に進み始めたナクシュデルに、それを見守るリュステム、そしてどうにもならない状況に置かれつつあるレオンティウスと物語も佳境を迎えてきた一冊でした。まずはアイオリアさんんが、面白いなぁ……なんとなくそういう気はしてたけどやっぱりねー、という展開がドンピシャで素敵でした。そして登場していないのに存在感だけはあったリュステムのお兄さんの見事な「マイペース」ぶりがこれまた。わー、こういうお兄ちゃん好きだわぁ(兄弟に弱い)(そして弟が兄の親友とつるんでいるというのも弱い)(つまりツボ)。

「後宮にいた」という理由からのナクシュデルへの偏見、女性への偏見なんかは(悪役がいっそ清々しいほどに嫌味な人なので)コテンパンにやっちゃって!と握りこぶしで読んでおりましたが、期待通りにそれらをはねのけようとするナクシュデルに、彼女に背を押されて前に進む女の子もいて、ナクシュデルを応援する人たちもいて、と気持ちの良い展開で読んでいてスカッとしましたが、どうやら次にナクシュデルに与えられた任地はなかなか厳しそうなところで。最終巻も楽しみです。

革命は恋のはじまり~絡まる希望と途切れぬ想い~
小田菜摘/雲屋ゆきお
ビーズログ文庫(2013.06)
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