リリー骨董店の白雪姫 海の底のエメラルド・プリンセス / 白川紺子

本の感想, 作者名 さ行白川紺子, お兄ちゃん

伯爵家にかけられた呪いを解くためロンドンで骨董店を始めたクレアは、前回の事件で知り合ったジェレミーの猛アタックに戸惑いつつも骨董店を切り盛りしていた。ある日、ジェレミーは兄から義母の遺品のアンティークジュエリーを処分するように依頼される。件の宝石をクレアのもとに持ち込んだジェレミーだが、クレアはその宝石が呪いのジュエリーであることに気づく。

このお兄ちゃん(ジェレミー兄)はやってくれると思ってたんだよ(感涙)。

シリーズ2冊目。またもやあのいやーな悪役さんたちがいやーなちょっかいをだしてくるのと、ジェレミーの実家ラスター伯爵家の事情について。ジェレミー兄バートは、絶対弟大好きやで!と思ってたらそういう展開がの連続に私は感動のあまりジェレミーとクレアのあれこれなんて二の次でいいわ!とも一瞬思ってしまうほどでした。このバートさんのすばらしいツンデレ兄(オプション:理論派魔術オタク)っぷりに加え、彼が物語のかなり重要な鍵を握っているという展開に、こう、なんというかお兄ちゃんバンザイとその一言を。そして二人をある意味ニヤニヤ見守っていたであろう執事さんもバンザイ。

クレアの方は、気づいちゃいけないことに気づいちゃった、というところかなー。気づかないほうが幸せだったのに、それを言語化しちゃって自分の気持ちを抑えるしかないというのが辛いところ。こうなるのを見越してジェレミーを邪険に扱っていたセディもいろいろつらいなぁ、とそれぞれの登場人物の心情がなかなか切ないですね。続きも楽しみ。

リリー骨董店の白雪姫 海の底のエメラルド・プリンセス
白川紺子
集英社コバルト文庫(2013.08)
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