眠れない悪魔と鳥籠の歌姫 悪魔に歌う子守唄 / 瑞山いつき

本の感想, 作者名 ま行瑞山いつき

アルドに憑いた悪魔を抑えるために夜な夜な子守唄を歌いつつ彼の「抱き枕」になる生活に馴染んでいた精霊使いのニーナは、ある日悪魔を探しているという異国の精霊使いシャハルと出会う。アルドの悪魔を祓うためにはアルドの命を奪うのが確実、というシャハルを説得したニーナは、期限付きながらもシャハルの力を借り悪魔を祓う方法を探す事になった。

性格がひねくれてる丁寧語ヒーローは正義でしょう。

昨年の春頃発刊された「眠れない悪魔と鳥籠の歌姫」、二冊目が出るとは思っていなかったのですが無事発刊され、そして無事完結しました。相変わらずのアルドの丁寧語にときめくわぁ……。しかも今回はニーナとアルドの床ゴロ展開がですねぇ……ニーナちゃんなんてこというの!アルドさんはどう反応するの!そしてニーナちゃんなんで全部台無しにするの!といろいろ楽しかったです。こういう丁寧語キャラはあんまりお目にかかれないので貴重です。いいもの読んだ。

ニーナが好みじゃない好みじゃないと連発しつつも、読んでいる方も傍観している登場人物もそんなこと言ったってー、と思っていた所に期待通りの少女小説的な展開にニヤニヤゴロゴロしつつ、傲岸不遜で自信過剰で性格ひん曲がってるのに実はちょっとチキンなところもありつつ丁寧語ってもうこれ完全無欠じゃないのか(どう考えても単なる好みです)。

物語内で随所で語られている限りは、アルドから悪魔をひっぺがえすというのが困難を極めそうで、実際のその方法を取ったところで外部要因によるトラブル、さらに引剥が得したあとが大変で、とどうなるのかなーうまくいくのかなーとラスト近くは手に汗握る展開で面白かったです。そして納得の着地点に思わず拍手。二巻目まで読めて良かったです。

眠れない悪魔と鳥籠の歌姫 悪魔に歌う子守唄
瑞山いつき/カズキヨネ
一迅社文庫アイリス(2014.01)
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