精霊歌士と夢見る野菜 虹色の祝祭 / 永瀬さらさ
思ったよりもシリアス寄りなのかも。
ビーンズ文庫の新人さん、デビュー作がシリーズ化してその2冊目。歌で植物を育てる世界にて、「植物しか」育てられないメロウと、天才(ただしニートというかボンクラだけど今回はかなり有能で目の錯覚かと)エイディの物語。この作者さんは暗黒面を描くのが上手い方なのかなぁ、と感じました。今回のエイディの闇といいますか、病みの部分に読んでいてぞくっときてしまいました。わー、これはヤンデレ、ヤンデレる?(のは苦手だけどちょっと読んでみたいかも) エイディのメロウについてきてほしい発言、そしてメロウとエイディの間のはっきりした、超えられない差の大きさがこれまたすごくて、このあたりをどう超えるのかなぁと楽しみではありますが、これ本当になんとか、なるの……?
さて、今回、メロウの仲間になったリーリさんとシャーディーくんは、最初のあたりは掴みどころがないし二人とも喧嘩腰だし逃げるしでなんだかなー(という展開にしてるのはわかるんだけど)、でしたが「仲間」になった後は、よいものでしたね!私こういう展開好きなので楽しかったです。リーリさんはきっと目がお金の形になるタイプの子なんだろうなぁ、とほほえましい気持ちで見守っておりました。仲間たちとの絆も含めて、続きも楽しみです。
※ビーンズのサイトにある同作品の書き下ろしSSを読むと、エイディがあの役を買って出た真の理由が明かされ(笑)、こいつ策士や!とニマニマしてしまいました。本編読んでから一度読んでみるとたのしいかも→SSはここから。
精霊歌士と夢見る野菜 虹色の祝祭
永瀬さらさ/雲屋ゆきお
角川ビーンズ文庫(2014.03)
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