にせもの公主の後宮事情 君主は豹変するものです? / 雨川恵
母が皇帝の寵姫となったことで、後宮で暮らすこととなった淑蓉は女官見習いとして働いていたが、「なりこそないの公主」として周囲は彼女を持て余していた。そんな中、彼女に皇帝の正妃から縁談が持ち込まれる。母のためにもとこの縁談を受けることにした淑蓉だが、この縁談に淑蓉が兄と慕う第二皇子の天黎は反対する。
たしかに、豹変だー。
ハシモさんの感想を読んで読みたいなーと思っていた作品をようやく読みました。これは確かに、いい少女小説!淑蓉ちゃんの健気さと天黎の豹変ぶりが楽しかった。天黎の「お兄さま」→「ヤンデレ」へのクラスチェンジは、なかなか楽しかったですねぇ(笑)。天黎の腹心で常識人の弘瑜の苦悩が面白い。淑蓉ちゃんにげてーと思いもしましたが、天黎はただのヘタレだったのでなんというか最後の方は天黎のやんでれも可愛く見えてしまいました。
淑蓉のお母さんはかっこいいし、第一皇子もなかなかのポテンシャルを感じさせるお兄ちゃんだしで、周囲の登場人物もいい味を出していました。皇帝の粋なはからいもいいものでしたねー。ということできれいに落ち着いてはいるものの、続きが出ているのでそちらも楽しみです。
にせもの公主の後宮事情 君主は豹変するものです?
雨川恵/すがわら竜
一迅社文庫アイリス(2013.06)
【amazon/honto/BOOKWALKER】