西の末裔 駆けよ、光の果てに集う者 / 村田栞

本の感想, 作者名 ま行村田栞

灰色道士との対決も一段落し、本来の目的である羅刹天像を捨てに出る旅に再出発しようとした青蓮一行の元に、皇帝の寵姫である楊貴妃が何者かにさらわれたという知らせが入る。楊貴妃を助けるために楊貴妃が連れ去られた先と思しき場所に向かう青蓮たちだが……

超特急で終わってしまった……

シリーズ三冊目で、もうちょっと続くのかなぁと思っていたらどうも最終巻らしい一冊。あらすじにも帯にも最終巻と書いていなくて、あとがきを読むとこれで終わりですと書いてあったという……ビーンズも最近厳しいなぁ……。
一応、いろんな設定やら裏事情やらをかなり超特急で回収し(事実、終盤はほとんど説明ゼリフという非常に苦しいくだりがあった)、あれは!一体!とモヤモヤすることはないといえばないんだけど、もうあと2冊くらいでじっくりやって欲しかったなぁ、というなんとも微妙な気分。旅の仲間たちの軽快なやりとりや、謎に満ちたお師匠や美女、そして有能な白猿ちゃんなどいろいろと楽しい面々だったんだけど……。特に、今回の終盤のお師匠様と美女のアレコレの件に、ぜひその辺りをもうちょっと詳しく!と思わずにはいられなかったのでちょっと残念。

最近のビーンズの流れから行くとなんだか色々厳しそうなのですが、元気な男の子がメインのお話は結構好きなのでまた新作にも期待しています。

西の末裔 駆けよ、光の果てに集う者
村田栞/霜月カイリ
角川ビーンズ文庫(2014.06)
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