見習い騎士姫の恋違い/ 咲村まひる
憧れの騎士団長マグナスに会い、そして隣に立つためにコルディア騎士団への入団を志願するジゼルは、「裏の手」を使ってなんとか騎士団に潜り込む。しかし、騎士団は日課のはずの街の見回りもおこなっていなかった。見習い騎士達のリーダー格の青年ヒューイを説得し、なんとか一緒に街の見回りを始めることができたジゼルは、ヒューイと、そして騎士団詰め所の隣に住む貴族の少年リノと共に見まわりついでの人助けをすることになる。
なんともかわいいお話でした。
ルルル文庫の新人さんの2冊目のお話。デビュー作はちょっと読むタイミングを逸してしまったのですが……。お話自体は、騎士団長に憧れて武芸の腕を磨いて騎士団に潜り込むという、貴族の娘さんにしてはちょっとズレた行動を取ってしまうジゼルと、ジゼルに振り回される苦労性のヒューイの心あたたまるやりとりを描いたもので、オーソドックスに進むお話がある意味安心して読めるものでした。若干、もうちょっとひねった展開というかなんというかがあっても良かったかなぁ、と思いましたが、安心して読めるお話はそれはそれで、いいかも。たださらっとしすぎて読んだ後にあんまり印象に残らないんだけど……。
ジゼルの母親の「訓示」がこの話のキモで、そして結構面白くてなるほど、と思いました。素敵なお母さんだったなぁ。