なりゆき斎王の入内~その正体、さらにも言わず~ / 小田菜摘
なりゆきで東宮妃(候補)となった塔子は、東宮妃への道を回避し熊野に戻ることを画策していたが有効な手立てを講じられずにいた。そんな折に、東宮の義理の母である縋子のお召を受けて面会した塔子は、思いの外縋子に気に入られてしまう。東宮の帰京が刻一刻と近付く中、縋子の命令でなし崩しに東宮の殿舎に移ることになった塔子に、いけ好かない左近衛大将が思わぬ提案をしてくる。
縋子さまが良いポジションだった。
シリーズ二冊目。まだ塔子には正体バレしてない東宮様の初恋模様が非常に胸キュンの連続で、さてこの人いつ正体バラすんだろうと色んな意味でドキドキした一冊でした。塔子も揺れ動いてるのがかわいいなぁ。東宮様は熊野の御方に対抗できるのかな、せっかく地理的アドバンテージがあるのに、決定的な一打を繰り出せないところが彼のヘタレなところで、しかし同時に繰り出せる立場でありながらグッと我慢しているところが優しさなんでしょうねぇ。
今回の騒動の落ち着けどころは、そこか!(当事者じゃないので)楽しいけど当事者はたまったもんじゃないなー、という展開だったので、素直に驚いていました。でもあの人美味しい立ち位置だし……ツンデレだし……うんまあありかな。そして次は熊野行きということで、東宮様が熊野の御方に勝利できるのか、続きも気になります。
なりゆき斎王の入内~その正体、さらにも言わず~
小田菜摘/くまの柚子
ビーズログ文庫(2014.08)
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