あくまで悪魔! 〜おまえには漆黒の花嫁衣装がよく似合う〜 / 我鳥彩子
不幸家系のブランシュ子爵令嬢ディオナは、現世での幸せを諦め、来世で幸せな人生を送るために善行を積み重ねることを生きがいにしていた。そしていつか来ると思っていた「借金のかたに父より年寄りの業突張りの商人に嫁ぐ」事になり、その道中妙な三人組に魔界へとさらわれてしまう。そこではナハトと名乗る魔族の王子様が、魔王になるために「聖憐の刻印」を持つというディアナを嫁に迎えるために待ち構えていた。
全編ギャグかと思えば意外にシリアスなところもあり、悔しいけど面白かった……
先日完結した「贅沢な身の上」でヒロインイチオシのトキメキ小説を本当に出版しちゃったよ、のスピンオフ作品。タイトルからして笑いを取りに来てるし、表紙もきれいなのによく見るとおかしいし、ヒロインずれてるし、悪魔とその二つ名は変なのばっかだし(一番アホだなぁと思ったのは、ウサヌイのあれ)、ウサギのぬいぐるみは毒舌だし、少子高齢化で公取や環境関係の役所まである妙な魔界で全編コメディに違いない!と思っていたら実はわりと真面目なところもあって裏切られました!(褒めてる
「あくまで悪魔」が最後の方に大きな意味を持ってることにもなんだとー、と軽く驚きつつ(褒めてる)、こう、わかりにくいお兄ちゃん心っていいよね、と思わぬところでツボが刺激されて、予想していなかっただけに破壊力が大きかったです。
これで終わっているといえば終わっているし、でどうするんですか!といえばどうするんですかの結末なので、どっちに行くのかぜひとも落とし前をつけてほしいなぁということで、できれば続きが読んでみたいです。
あくまで悪魔! 〜おまえには漆黒の花嫁衣装がよく似合う〜
我鳥彩子/深山キリ
集英社コバルト文庫(2014.09)
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