文官令嬢の恋愛録 公爵閣下と封じた記憶 / 宮原ソラ
テンポのよいお話で楽しかったです。
web小説からの一冊。こう、「上司と部下」という設定から「女性を官僚とは認めない上司と、そこに食らいつくヒロイン」という話かと思っていたらそういう話では全くなく、むしろマリーちゃん(本人の気付いてないところで)ガンガン外堀を埋められているよ!というお話でした。予想してなかったので、この点の面白さがどんと倍(単純です)。
主にマリーの一人称で話が進んでいって、テンポはよいもののマリーの語り口が「れ、令嬢……?き、貴族の………?軽っ」というようなものとなっておりますので、ここが受け付けない人はたぶんイラッとしながら読むことになるのだろうなぁ、と思いながら、私は今回はあまり気にならなかったのでさらっと楽しく読めました。なんか、この辺りが「web小説だなぁ」というような、そんな感じ。こういうweb小説大好きなんですが、本になるとちょっと違うというかなんというか(この感情をどう表現すればいいのか、難しい)。
マリーのノリに反してわりに血生臭くて、そしてえらくバッサリあっさりしているところもあるので少々肩透かし、なのですがマリーとユージンのアレコレが楽しかったので相殺してさらにプラス!そして読了後少しリサーチしてみたところ、原案(web版)からかなりカットされているところもあるようなので、そのあたりを補完したらもっと楽しいかもしれないですねぇ。お兄ちゃんとか、絶対いい立ち位置だと思うんですよ!いつでも読めるようにはしておこう→web版:Alexandrite
文官令嬢の恋愛録 公爵閣下と封じた記憶
宮原ソラ/雲屋ゆきお
一迅社文庫アイリス(2014.09)
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