なりゆき斎王の入内7~まばゆき胡蝶はまどはしたり~ / 小田菜摘

本の感想, 作者名 あ行小田菜摘

帝に献上された珍しい七弦琴を披露することになった塔子だが、調律のために外部に預けたところ、七弦琴が何者かに盗まれてしまう。政争を引き起こしかねない事態に、秘密裏に七弦琴の行方を捜す明槻たちだが、臨時で塔子に弦の手ほどきを行っていた二の宮が、塔子に「ちょっかい」をかけてきて……

にのみやさまって、げどう……

ちょっとだけ中休みの七弦琴をめぐる騒動の一冊。宋からやってきたという珍しい七弦琴が盗まれてさあ大変、というお話でしたが、思いのほか二宮さまの存在感が大きくて、あ、これもしかしてちょっとどろどろ……?と思っていたらなんか想像と違う方面に進んでいって、誤解してすいませんでした、と思った直後ににのみやさまの策士ぶりというか、うわ、このひと自分の武器を最大限活用してるよ……という展開で、面白かったのですが意表をつかれておりました。

平安モノ少女小説?には珍しく外国関係の混乱が関係してくるお話で、(鎖国してるわけじゃないけどその辺りが関与してくることってあんまりなくて)おおお、と一人で感心しておりましたが、結構続いてるシリーズなのでその辺りを絡めてくる余裕はあるのかなぁ、などと大人の事情を鑑みつつ。シリーズもクライマックスに近づいているような雰囲気ですので、続きも楽しみでです。

なりゆき斎王の入内7~まばゆき胡蝶はまどはしたり~
小田菜摘/凪かすみ
ビーズログ文庫(2016.04)
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