おこぼれ姫と円卓の騎士 王女の休日 / 石田リンネ

本の感想, お気に入り, 作者名 あ行石田リンネ

レティの誕生日のパーティーも無事終わり、翌日レティは騎士たちの計らいで1日だけの休日を手に入れる。脚本・監修メルディによるレティの休日計画は、レティがお忍び歩きの洋服に着替えて城を抜けだしたところに、今回の休日のエスコート役のデュークと合流するところから始まった。

あー、ほのぼのほのぼのってニヤニヤしながら読んでたら最後にすごい展開が待ってました。

本編離れた番外編なので気楽に読める、ことは読めたのですが、番外編的ポジションだからと読み飛ばすと大変なことになるレティの休日のお話。騎士の皆さん大体勢揃いで、我らがノーザルツ公もしぶしぶ参加している姿に心打たれました(笑)。ノーザルツ公とクレイヴさんの組み合わせっていいですね、殺伐としてて。

メルディがそれぞれの騎士に割り振った役割が楽しくて、そしてそれに載せられるレティも可愛くて、いいなぁ和やかな休日……と読んでいたら終盤レティの大暴走。先に読んでいらっしゃった面々が阿鼻叫喚だったので、これのことかな、確かにレティさん大暴走だけどこれは(ニヤニヤ)と思っていたらまだページ数はだいぶある。後日談がちょっと長めなのかなぁと思っていたところに次から最終章、というのにふさわしい大事件が起こってこれか!とただただびっくりしてしまいました。上げるだけ上げて一気に落とす、この緩急が素晴らしい……!

「愛人王」になることは約束されているので、あんまり心配することはなさそうなんだけど、でも結構きつい展開(結果がきつくなくても展開がきつい)ことは十分予想されるので、最終章が心配です。休日の最後にレティはある言葉をとある人に伝えておりましたが、そうじゃなくてレティを含めてみんな本当に幸せになって欲しいので、どうなるのかなぁと続きも楽しみにしておきたいと思います。

おこぼれ姫と円卓の騎士 王女の休日
石田リンネ/起屋一子
ビーズログ文庫(2016.06)
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