桜乙女と黒侯爵 つながる過去と迫る闇 / 清家未森

本の感想, 作者名 さ行清家未森

京四郎の死んだはずの兄の生存が確認され、一連の騒動を巻き起こす結社に関係しているという事実が明らかになり、一方で、事件について調べていた有紗の叔父馨が行方不明になり、とある事情で身を隠していた有紗は、知り合いの新聞記者の手を借りて馨の行方の手がかりを探すことになる。

いろいろと一気に明かされた一冊でした。

シリーズ4冊目。有紗ちゃんと京四郎さんの過去が明かされ、謎のあの人やこの人のことも語られ、そして有紗ちゃんの恋するオトメ(に見えるけど本人否定)の様子が可愛くて、京四郎さんが必死に我慢しているそんなお話。そこで踏みとどまる京四郎さん、大人だなぁ、(読んでて)悶えるなぁと少女小説成分をすごく堪能してしまいました。清家さんのこの辺りの安定感はさすが。というか京四郎さん!(まだいう)

今回は事件も起きたものの、クライマックスへの布石という位置づけが強いように感じた一冊で、おとなしめの一冊なのかなぁと思っていたらえらくすごいところで幕引きとなってしまったので続きも非常に楽しみです。早く読みたいなぁ……。

桜乙女と黒侯爵 つながる過去と迫る闇
清家未森/ねぎしきょうこ
角川ビーンズ文庫(2016.07)
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