妖珠王の騎士 金剛石の都で英雄さまの相棒になりました!? / 本宮ことは

作者名 ま行本宮ことは

妖魔に耐性がある理由から、あこがれの聖騎士団に入団できたディディスだが、恐怖心から武器が扱えず、天馬の世話係を拝命する。ある日、誰もが憧れる英雄リュスランドのもつ双剣の片割に選ばれてしまったディディスは、武器が扱えないのに精鋭部隊の一員に加えられてしまう。

武器が握れないのなら投げればいいのよというヒロインが強い。

本宮さんの新作は、田舎から出てきた女の子がなんの因果か英雄の相棒に選ばれてしまってちょっと待って、というお話でした。
ディディスは「田舎を飛び出してきた、のんきな女の子」と思っていたんですが、どうも話が進むとそういうこともなさそうで、背景はまだほとんど語られていませんが妖魔に耐性がある理由や「やっかいなの」に目をつけられている理由など、なかなか重いものを背負っているような気がします。そして何かを背負ってるからこそ達観しているというか、冷静なのかなぁという気もしてまいりました。
一方の英雄さんの方は、祭り上げられてるからしょうがないので英雄やってるけどさぁという一種のグダグダ感が結構好きだなぁ。そんなグダグダ感の中、ディディスを相棒として扱わなければいけなくなったからには全力で守る、というこのあたりは周囲に慕われ、頼られる英雄だなぁと感じました。少女小説的にはディディスとリュスランドの関係がどうなるのかというところですが、ディディスの冷静さから終盤まではあんまり進展ないくせに最後赤面展開の連続!という流れを予想してみます。

リュスランドの仲間たちの個性は強いし、更にその上の上司もすごそうだしと、続きも楽しみです。

妖珠王の騎士 金剛石の都で英雄さまの相棒になりました!?
本宮ことは/明咲トウル
一迅社文庫アイリス(2016.11)
amazon/honto/BOOKWALKER