若奥様、ときどき魔法使い。 / 白川紺子

本の感想, 作者名 さ行白川紺子

ローズはたまにしか魔法を使えない落ちこぼれの魔法使いだが、魔法審議院の長官を務める有能な魔法使いである夫レンと幸せな日々を送っていた。そんな中、春を呼ぶ魔法使いが不在のため冬が終わらない。オムニア王国の女王はローズが春の魔法使いだとしてローズを拘束しようとするが、レンやローズの友人リナはローズをなんとか逃がそうとして……

可愛いお話だった!

貴族はすべからく魔法使いの王国で、名家のご令嬢(だった)のに微妙な魔法しか使えないローズと、ローズをあまやかしまくる旦那さんレンのお話。3話収録のちょっと童話っぽいお話で、ほんわかしてしまいました。とはいいつつ、裏というか土台にあるものは結構重いものがあったんですけどね、見た目に騙される系の読者です。

結婚からのスタートじゃなくて二人の馴れ初めと春の魔女の話を同時進行させたら良かったんじゃないかなぁと思いながら1話目(春の魔女の話)を読んでいたんですが、2話が二人の馴れ初めの話、そして3話目がツンデレお嬢様のローズのお話と続いたのでこれはこれえよかったかな、と。
「生まれ持っての魔法」が鍵になる物語でもあるのですが、レンの生まれ持ってる魔法がすごくかわいくて、こいつ、スペック高いのに持ってるのがこれってギャップが……(ギャップ萌え)というところで素晴らしかったです。

若奥様、ときどき魔法使い。
白川紺子/椎名咲月
集英社コバルト文庫(2016.09)
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