重装令嬢モアネット / さき

本の感想, 作者名 さ行さき

幼い頃に受けたひどい言葉にひどく傷ついたモアネットは、人目に外見が触れぬよう全身に鎧をまとい、年頃になっても郊外の別宅で一人で生活していた。そんなある日、モアネットが鎧をまとう原因となった元婚約者の王子とそのお付の護衛が現れる。ここ1年で急に不幸体質となった王子にモアネットが呪いをかけているのでは、という疑いを書けられたモアネットだが、そんなことをする理由もないモアネットはなりゆき上、呪いの原因を突き止めるために三人で旅に出ることになる。

全身鎧のヒロインとかもうそれだけで勝ちというような。

全身鎧で引きこもってるご令嬢と、ご令嬢を引っ張り出す王子さまとその護衛。モアネットへの暴言の負い目のある王子様はあくまで紳士で、呪いの影響により周囲から距離を置かれる王子に離れず寄り添ういい人の護衛さんと、モアネットの達観した毒舌とずれた感性がなければ王道の冒険モノっぽくなったんだろうなぁという雰囲気すら感じるんですが、モアネットのボケ方と行動と鎧がすべてを台無しに(褒めてる)。

最初はどっちの方向に向かおうとしている話かよくわからなかったのですが、モアネットと護衛さんの「明らかなすれ違い」楽しく、そして双方が気付いたときが楽しみだな、という展開が面白かったです。王子様の呪いの原因は、あれだ、妹が無意識に!と途中から思いながら読んでいたんですがどこに落ち着くのでしょうかね。強力な助っ人を得たところで以下続く、というところで終わってしまったので続きもまちたいと思います。

重装令嬢モアネット
さき/増田メグミ
角川ビーンズ文庫(2017/3)
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