夜葬師と霧の侯爵 かりそめ夫婦と迷宮の王 / 白川紺子
森の奥で夜葬師に育てられたオフェリアの前に、周辺一帯を治める領主である侯爵ルドヴィークが現れる。侯爵家の当主が代々苦しめられている夜葬師による呪いを解く鍵をオフェリアが持っていると、ルドヴィークはオフェリアを妻として城に迎え入れる。
謎に包まれている夜葬師のお話。
銀灯師シリーズのシリーズ3作目。今回はいつも敵対する立ち位置にいる夜葬師がクローズアップされた物語でした。
ヒロインのオフェリアさんはおとなしくて静かだし、ちょっとびっくり行動（いきなり妻待遇でオフェリアを城に入れる、等）をとるルドヴィークも諦めに近い諦観をもっている物静かな人だしで、全体的に淡々と、静かに進んでいく物語の中で、ルドヴィークがオフェリアに感情をぶつける場面が引き立っていました。
今までよくわからない存在だった夜葬師も「感情を持たない」存在のはずなのに、オフェリアの育ての親とその昔なじみがオフェリアのためにととったという行動が非常に印象的。夜葬師の存在の根底が変わってしまうようなお話だったように思います。
このシリーズの静かな、それでいてドラマティックな物語が好きなので、また同じ世界の話を読んでみたいなぁと思いました。
夜葬師と霧の侯爵 かりそめ夫婦と迷宮の王
白川紺子/加々見絵里
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