おこぼれ姫と円卓の騎士 新王の婚姻 / 石田リンネ
四方丸く収まった大団円に大満足です。楽しかった!
シリーズ最終巻。絶望的な状況から希望の光が見え始めた前巻に引き続き、レティの騎士たちがそれぞれの立場で国のため、レティのために戦う姿がとてもよいものでした。今回、一番(いろいろな意味で)美味しかったのはクレイヴさんでしょう……戦友……(今回、あらすじを書くのに迷って、普通そこは取り出さないだろうと思いながらクレイヴさんに焦点を当ててしまった)。そしてレティも最初から最後までかっこよく、表紙とタイトルから考えてまあそうなるわな、という着地点にたどり着いてまさかここで終わりか……!と思わせておいてちゃんと(多くの読者の)期待に応えるラストで良かったです。色恋沙汰は思いの外あっさりというか、前巻がクライマックスだったような気がしなくもないですが、しかし今回は!よく考えたら人前であれこれ繰り広げられていたという事実に気付いて、二人の成長に感心しました。
残り3席だったレティの騎士については、二人は想定通りというかそうしないと丸く収まらないよねぇ、という選択(最後の一人はだれとも予想していなかったので、なるほどーとさっさと納得していました)。いろいろと丸く収まりすぎだろうという考えもあるかもしれませんが、わたしの個人的な感覚から言うと、いままでの「おこぼれ姫」の話の展開からいってとくに違和感を感じない、自然な流れのよいまとまり具合だった上に、シリーズ序盤からのネタもきれいに消化しているので本当に大満足の最終巻でした。
ただ、欲をいうともうちょっと後日談的なものも読みたいかな!と思うので、ぜひとも同レーベルでちょっと長く続いた他人気作品のように、おまけの後日談的な短編集をぜひ、ぜひ……!
おこぼれ姫と円卓の騎士 新王の婚姻
石田リンネ/起屋一子
ビーズログ文庫(2017.07)
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