錬金術師は終わらぬ夢をみる ~ゆがみの王国のセラフィーヌ~ / 一原みう

本の感想, 作者名 あ行一原みう

ヴェルサイユ宮殿にいる夢、雪山で逃避行をしている夢、そして修道院で同年代の少女たちと錬金術の研究を続ける夢を見続けるセラフィーヌは、ある日目覚めたとき錬金術師のカリオストロ伯爵に保護されていた。「頭の中の小さな箱」にしまいこんだ記憶以外を失っているセラフィーヌは、記憶を取り戻すためにセラフィーヌがいたというR修道院に行くために、カリオストロ伯爵の手伝いをすることにするが……

不思議な空気に包まれた物語でした。

記憶を失ったセラフィーヌが、記憶を取り戻すためにカリオストロ伯爵に「自分の価値を認めてもらう」ために奮闘するお話、なのが中盤以降で、それまではセラフィーヌがカリオストロ伯爵のもとにたどり着くまでの不思議な出来事が淡々と語られるお話でした。
時間軸が行ったり来たり(むしろ、うっかり気を抜くといつの間にか結構な年数ジャンプしてるような、そんな構成)で、なにやら歴史も「歪んでいる」中で、物語の核となるのはとある預言書ということで、もしかして、これは、私の苦手な、SF(少し不思議)では……?と混乱しながら読んでいたんですが、何がどうなっているのかよくわからない部分が多くて、これは先を読み進めねば、という好奇心をお供に読み切った1冊でした。そして、1冊読み切っても、あ、やっぱりよくわからないから続き読まないと!というような結末だったので、続きも出てるから早めに(記憶にあるうちに)読まないとだめだなー。

錬金術師は終わらぬ夢をみる ~ゆがみの王国のセラフィーヌ~
一原みう/凪かすみ
集英社コバルト文庫(2017.07)
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