契約結婚はじめました。~椿屋敷の偽夫婦~ / 白川紺子

本の感想, 作者名 さ行白川紺子

通称「椿屋敷」で隠居生活を送っている柊一は、ワケありの香澄と利害の一致から偽装結婚をした。近隣の住人に相談役として頼られている柊一のもとに様々な相談事がもちこまれ、そして二人の結婚を訝しむそれぞれの親族が椿屋敷を訪れと、なかなか落ち着いた毎日を過ごすことができず……

「年の差」「偽装」「若夫婦」というこのコンビネーションがよいですね……。

「下鴨アンティーク」シリーズの白川さんの別シリーズ。舞台となる「椿屋敷」目線で話が進むという(個人的に)斬新な視点で慣れるまでむむむ、と思いながら読んでました。面白いんですけど。謎がいっぱいの香澄さんの謎が謎のままで進む、というところに家視点のよさがあるのかなぁ、と感じました。
物語のベースは各話読み切りの柊一さんの隠居探偵的な活動、そしてそこに加わる香澄さんの手料理がとても美味しそうなのが垂涎モノ。そして折に触れて二人の「結婚」を怪しむ両実家(香澄さんについては「実家」的なもの、ですが)が入れてくる各種探りをどう乗り切るのかというのがスリルに満ちていて楽しいです。

「偽装夫婦」といいながら牛歩ペースでいろいろ進みそうなので、このあたりもすごく楽しみだなぁ。主役二人はもちろんのこと、柊一さんの弟・檀くんと柊一さんの親族のすみれさんが面白いので、このあたりのワイワイ感も楽しみです。

契約結婚はじめました。~椿屋敷の偽夫婦~
白川紺子
集英社オレンジ文庫(2017.5)
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