ミルナート王国瑞奇譚・番外篇 男嫌いな伯爵令嬢と女性が苦手な〈魔獣使い〉 / 和泉統子

本の感想, 作者名 あ行和泉統子

家族を裏切り出奔した父の影響で男嫌いになった伯爵家の跡継ぎ娘ドローテは、母から突如1年以内に結婚することを命じられる。どうしても生身の男性と結婚したくないドローテは、愛猫であるリラード・モノノベ卿と結婚すべく策をめぐらす。リラード・モノノベ卿が言葉をしゃべれるのであれば結婚相手として認められる可能性を見出したドローテは、隣のクマーダ家の三男でなじみの獣医師でもあるのギオルドに無理難題を吹っ掛ける。

モフモフがあふれてた……

その生い立ちから極度の男嫌いになったヒロイン・ドローテ(ただし儀礼を司る名門の跡継ぎなので必要なときは擬態可能)と、文武両道で見た目と性格はいいものの魔力がないというだけで女性にひどい目にあわされて女性が苦手になっている年上幼なじみの結婚をめぐるドタバタ。これはラブコメではない、ラブコメ分があんまりない……いやもう両者ともに無自覚両片思いなんだけど、なんせヒロインはひどいし(コメディ的には面白い)、年上幼なじみはいい人すぎて巻き込まれ体質をいかんなく発揮しつつも基本ヘタレなので進むものも進まない(笑)。
突如ドローテにアプローチを(求婚者ポジションの本人に代わって)始めた隣国の王子様の兄(本人は本編ですでに当て馬経験済み)というこれは確実に当て馬二回目!かわいそう!でもモフモフが見られる!という力技での主役の二人が近づくための仕掛けに関しては、さすがに二回目はどうなのと思いましたが王子様も巻き込まれ事故だったようでご愁傷様という感想がまず思いつきましたが、モフモフはいいものでした。

ミルナート王国瑞奇譚・番外篇 男嫌いな伯爵令嬢と女性が苦手な〈魔獣使い〉
和泉統子/鳴海ゆき
ウィングスノベルズ(2024.04)
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