グラン・アーク共和国の第七聖騎士団は任務の中砂漠で遭難し、仮想敵国である隣国の輝陽皇国に救助される。救助費用のカタとして人質代わりに一人皇国に残ることになった聖騎士のリアンは皇帝のもとに連れていかれ、いきなり妃として差し出されてしまう。
異文化交流ラブコメ、に見せかけてシリアスファンタジーなところはさすがでした。
そこそこ技術が進む西洋風な共和国からやってきたヒロインが、交流があまりない中華圏の皇帝のもとに差し出されてしまいわたしどうなっちゃうのー!系のラブコメの面を被った背景は割とヘビーというかシリアスな物語で面白かったです。そうそう、和泉さんの物語ってコメディに見えて重いんだよね……口の悪い女装(させられている)公子様の物語もかなりヘビーだった。
脳筋系とはちょっとちがうんですが、とにかくまっすぐで長女気質のヒロインと、超絶美形でわんこ系いい人の末っ子気質の残念ヒーローのやり取りを「早くくっついちゃえよー(どう考えても相思相愛)」という野次馬根性むき出しで見守るモードで楽しめたのがよかったです。どこからどう見ても相思相愛(大事なことなので二回書きました)な状態の安定感はいいものなのでしたが、最後まで読むと片方は落ちるの早かったんだな!と少し感心してしまいました。この背景踏まえて読み直したらまた印象変わりそうだなー。書下ろし万歳。
超有能なお妃さまや押しの強いお姉さま、私もそこは騙されてたわ!と思ったヒロインの上司など味のある聖剣など周囲の登場人物も面白くて楽しい物語でした。
敵国の捕虜になったら、なぜか皇后にされそうなのですが!?
和泉統子/北沢きょう
ウィングス文庫(2022.11)
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