グランドマスター! 呪われた女騎士?/ 樹川さとみ

本の感想, 作者名 か行樹川さとみ

金髪の女性ばかりが誘拐される事件が起こり、周囲の反対を押し切り囮となって捕まったシーカ。そこで出会ったのはとても威勢のいい美人の女騎士だった。≪黎明の使節団≫の活躍により女性達は無事救助されたが、件の女騎士アスティルは自分は男であると主張する。


妙な笑いのツボがたまらないグランドマスター第2巻。今回はシーカの変態ぶりとハルさんの超人ぶりは若干ナリを潜め、団の面々がちょこちょこと活躍されていました。そんな中、ナリを潜めたとはいってもシーカのスケベオヤジぶりは健在で、要所要所でみせるハルさんとの夫婦漫才ぶりがたまりません。ハルさんの自己犠牲精神に一瞬「身代わり伯爵」のリヒャルトを重ねてしまいました。肉体派ハルさん(この人のお陰で、団はある種某ブートキャンプ状態ですよね……)頭脳派シーカと最初読んだときにはシーカの揺るみっぷりからは思いもよらなかったポジションが確立されつつあります。

サブタイトルでもある呪われた女騎士に関しては、ご愁傷様、と思わずにはいられません。いつもの樹川さんらしくきちんとよかったねぇと思える点もあったのですが、まだまだ受難は続きそうです。彼女(?)に関しても、ミトラーダ関係の何か大きなことが関わっているのでしょうかね。そして、シーカの不思議能力は神下ろし以外にもいろいろとあるようで、ミトラーダ教と秘密と共に闇でうごめく陰謀が見え隠れ。本部のエライ人はどの方も狐と狸の化かし合いのような食えないおじさまばかりなのでどうなるのか少し楽しみです。
良識派はおとーさんと美形会計と腰ミノか……と腰ミノがまともに見えるという変な集団に妙な悩みをもつ仲間が増えたところで、使節団の次の世直しが楽しみです。


imgグランドマスター! 呪われた女騎士?
樹川さとみ/松本テマリ(イラスト)
ISBN:978-4-08-601086-3
集英社コバルト文庫(2007/11)
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