光の精煉師ディオン 潜入捜査は怪盗と / 村田栞
連邦からの特使が帝国に亡命する機会に乗じ、簡単には潜入できないとされる連邦に特使に成り代わり入り込むこととなった”蒼い鷹”。連邦にとらわれた父親を救うために潜入班に何とか加えてもらったディオンは、メイド姿で無理矢理潜入したフェルナンドとともに救出作戦を実行するが……
天才精煉師の少年ディオンとその親友で皇太子のフェルナンドが繰り広げる軍の冒険モノ三冊目。ここにきて急展開を見せ、実はこのシリーズってもうすぐ終わる?と思ってしまうくらいの進みっぷりでした。
今回は女子成分がジェイダ姐さんだけなのは寂しいようと思っていたところに生意気なツンデレ皇女さま(フェルナンドの妹)の登場に一気にヒートアップです。古今東西のツンデレテンプレを余すことなくクリアしているとてもかわいらしい皇女さまのおかげで一気に物語に華が出てきました。いいなぁ、次からもめいいっぱい活躍してほしいなぁと期待しています。
そして、蒼い鷹指揮官のキース関係も若干謎が見えてきたような。相変わらず動物関係では情けない指揮官ですが(カイル以外の部下の前では根性で踏ん張っているところは本当にすばらしい)、それ以外ではものごっつかっこいいですね。こちらもお約束とはいえ、こういう指揮官はよいモノです。
途中、むむと思ってしまう位に軽いところもあって若干違和感を感じてしまいますが(若い人向けなんでしょう:対象年齢層から大きく外れてるので文句は言えない)、読んでいる間は総じて楽しいので割とお気に入りのシリーズです。
光の精煉師ディオン 潜入捜査は怪盗と
村田栞/岩崎美奈子(イラスト)
ISBN:978-4-04-451007-7
角川ビーンズ文庫(2008.01)
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