花に嵐の喩えもあれど 魍魎の京 / 本宮ことは
並の姫君よりも美しい女装の麗人・碓井貞道。彼が忘れな草を見て忍ぶ過去の思い出は、とある幼なじみの姫君との切ない恋物語であった。
魍魎の京・頼光四天王のそれぞれにスポットを当てる(ようだの)外伝シリーズ第2巻。もちろん本編のヒロイン・諾子と則光くんも最初と最後にご登場でほほえましいやりとりを……、イイデスネ、この二人。
さて、本作の主人公の貞道。どうして彼が女装をするのかが彼の切ない恋物語と共に描かれておりますが、ただのオネエ言葉を喋る女装の麗人じゃないとはっきりしただけで貞道さんへのポイント急上昇。もとからこういうキャラクターは結構好きなんですが、これに本作のようないきさつがつくともうとどまるところを知りません。貞道さんめっちゃかっこよかったです。
物語の序盤からこの恋物語が切ない結果になることは示されていたのであのラストでもそんなに衝撃は受けなかったのですが、いやしかし。とてもきれいで切ない恋物語だなぁと思いました。
イラストは本編と外伝でがらりと変わっているのですが、内容自体はそんなに変わらず。個人的には外伝のイラストの方が好きかなーと思ってしまったりするのですが(好みの問題ですが)。
なにはともあれ本編・外伝共に続きも楽しみです。
花に嵐の喩えもあれど 魍魎の京
本宮ことは/眠眠
講談社X文庫WH(2008.05)
ISBN:978-4-06-286516-6
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