王女修業、きわめます。 / 高丘しずる
王都に戻ったエリーザベトは、セットを探すために街をさまよい偶然セットの顔なじみらしい美女・メルタを助ける。彼女の用心棒として職を得たエリーザベトはメルタを訪ねたセットと無事再会するが、王都を騒がす「逃がし屋」「運び屋」の捕り物事件に巻き込まれる。
無表情な跡取り王女様が表情と感情を得るために傭兵のセットにくっついていろいろ修業をする話第2弾。
おお、引き続きなかなか面白いかも。無表情淡泊王女様が無意識のうちにメルタに感じる嫉妬など(しかしまだまだ色気より食い気)、成長してるなぁと思わせる箇所が要所要所にあり、そこにだいたいセットが絡んでいるのでニヤリとし。エリーザベト、セット、そしてアルノルトの三者三様の個性と息のあったやりとりが面白かったです。
「逃がし屋」「運び屋」のくだりは正直少し物足りないなぁと感じてしまったのですが、それでも最後の水戸黄門なノリの成敗コーナーは読んでて爽快なのでよいですね。
次のお話の布石も出てきたところで(続き出るよなぁ、ネタを仕込んでるんだから)まだまだ王女様の修業は続きそうです。しかも、周りを阿鼻叫喚の渦に陥れそうな手紙を残して……。三人の珍道中が楽しみです。
王女修業、きわめます。
高丘しずる/由貴海里
B’s-LOG文庫(2008.07)
ISBN:978-4-7577-4326-7
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