マギの魔法使い 魔女たちは恋愛中! / 瑞山いつき

本の感想, お気に入り, 作者名 ま行瑞山いつき

マギを目指して旅を続けるエメラルド一行は、マギの隣国ドラード王国でもう一人のウィザード候補・コウとその恋人の黒魔女マリンに出会う。マリンと意気投合したエメラルドは久しぶりに女子同士の楽しい時間を過ごすが、コウの言動から<宝石>と認識しされてしまったマリンが謎の集団に襲われる。


マギの魔法使い第4巻。今回は後書きにもあるように直球勝負のタイトルでした。

今までが腹の探り合いでやるかやられるかの薄氷上でのぎりぎりのやりとりの連続だったんですが(すいません、ちょっと言い過ぎました)、今回はそれが嘘のように乙女心が忙しい展開でした。今までのひたすらエメラルドに冷たかったウォレスがエメラルドから離れるために……と取った行動が実はそれはあなたもう後戻りできませんがな、というような、あれです。ごちそうさまでした。エメラルドへの思慕は本能だから、と割り切っていたウォレスですが、どうやら本能だけで片付けられなくなってきたようでもうニヤニヤ展開が止まりません。
ウォレスに対抗すべくラグナもいろいろ表に裏にエメラルドにアタックをかけてはいるものの、一連のウォレス関係の出来事でかすんでいました。かわいそうな、ラグナ……。

そして、エメラルドが知ったウィザード候補達の未来はなかなかにハードルが高く、普通に考えたらハッピーエンドはあり得ないなぁと思ってしまいます。前作でもそんなきつい状況からのあのエンディングでしたので何かしらきっとあっと驚く展開が待っているのだとは思うのですが。そんなどんよりしてしまいそうになる現実を前に、マリンとコウが選んだ道もウィザード候補の未来に対するひとつの回答ではありますが。エメラルドとウォレスとはまた違った決意をした二人ですが、主役の二人はどんな未来を選ぶのか、続きも楽しみです。

imgマギの魔法使い 魔女たちは恋愛中!
瑞山いつき/結川カズノ
角川ビーンズ文庫(2008.09)
ISBN:978-4-04-449714-9
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