珠華繚乱~異国からの使者~ / 宇津田晴

本の感想, 作者名 あ行宇津田晴

邪神復活のために戦の絶えない隣の大陸に渡った賀杖の野望を阻止するため、珠国と幡国は共同で事態に取り組むこととし、その舵取りを幡国の嫡子である龍牙に任せる。賀杖問題を話し合うために珠国にやってきた龍牙は蓮祥をめぐり珠国の重鎮達と一進一退の攻防を繰り広げることになる。そして、珠国には蓮祥にまつわるとある噂を確認するため、異国からとある人物がやってきた。


地味に楽しみにしてた珠華繚乱の第3巻。やっぱりぬるいなーと思いつつもとても楽しむことができました。主に蓮祥と龍牙の中を邪魔しまくる『蓮祥行かず後家推進委員』関係。珠国の面々がアホすぎていいです。このアホさがすばらしい。そして龍牙がとても健気です。もうちょっと賢く立ち回ってもいいと思うけどこの実直さがいいんだろなぁ。アホな人たちにはもっとがんばってほしかったんですが推進委員会の活動はどうやら縮小した模様です。まあ縮小してもやることはやってましたが、もったいない……。

蓮祥の無頓着な「すごさ」と龍牙が蓮祥の行動力に悩みながらもついて行くところとか、お互いに思いやっているところとか、蓮祥兄・父の暑苦しい家族愛とかがよいです。なんか読んでてほっとするというか、いい意味で裏切られない展開なので安心設計です。着地点もどうやら固まったようで(賀杖の邪心復活の野望阻止+蓮祥と龍牙のラブラブハッピーエンド)、あと1冊か2冊くらいで終わるのかな?という感触です。続きも楽しみです。

img珠華繚乱~異国からの使者~
宇津田晴/山下ナナオ
小学館ルルル文庫(2008.10)
ISBN:978-4-452084-2
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