≪節制≫こそが身を守る 運命のタロット6 / 皆川ゆか

本の感想, 作者名 ま行皆川ゆか

≪恋人たち≫とのフェーデに勝利した頼子と≪魔法使い≫は、≪運命の輪≫の力で”改変”が行われる前の時間軸に戻ってきた。しかし、そこには新たな運命のタロットのカード≪女帝≫が現れる。


運命のタロット第6巻はフェーデ第二戦の前準備と、そして≪女帝≫をはじめとする新たなカードの顔見せが行われました。どのカードもいろいろ企んでそうでいろいろととても気になります。プロメテウスのカードの中でもいろいろありそうだし、何より誰が敵で誰が味方か見当もつきません。話が進むごとに勢力図は大きく変わっていきそうだ。

”改変”前に戻った頼子(……ええい、もう面倒くさいから次からはライコに統一)が、改変が起こった世界で知ってしまった各登場人物の心の底を知っているだけに、その言葉や態度の奥に隠れている物に気付いてしまう所にはしんみりとしてしまいます。そして、”改変”ではいなくなってしまった人がそこに確かに存在することにほっとする描写などもしんみりきますね。

≪月≫とのフェーデも一筋縄でいきそうにない上に、≪月≫とのフェーデの前に≪節制≫がちょっかいをかけてきて……と先が全く見えない展開。そして、ラスプーチンってあのラスプーチンのことをガチでさしてたのかーと、話が帝政ロシアまで及びそうな壮大な展開になりそうでとても楽しみです。

≪節制≫こそが身を守る 運命のタロット6
皆川ゆか/乱魔猫吉
講談社X文庫ティーンズハート
ISBN:4-06-199235-X
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