そして花嫁は恋を知る 紅の沙漠をわたる姫 / 小田菜摘
新作出る前につんでたのを読もうシリーズ。
いろんな時代のブラーナ帝国の皇女さまのお輿入れを描いた「そして花嫁は恋を知る」シリーズ第三巻は今までの中で一番昔のお話(第一作の300年前)。沙漠を舞台に繰り広げられる物語でした。「襲撃される・二人で逃避行(?)」から予想される展開でほぼ間違いないかと。ネタとしては(コバルト的にも)とても王道ですが王道で何が悪いとてもいいです。
後書きにもありますように、今回は裏タイトルが「そして花婿は恋を知る」という内容でして……、責任感に燃え自分のやるべき事をしようとするヒーローが前作のヒロインポジションでした。今回のヒロインは「おまえは皇女だよ。嫁ぎな」と嫁に行く直前に宣言された街育ちの「にわか皇女」なので重責に……ということはなくて庶民感覚で皇女としての使命よりも薬師(元の職業)としての使命に燃える心優しげなお嬢さんで、肩肘はってないところとか良かったですね。なにより、前作よりラブ度(微量)アップ!というところが素敵でした(注:あくまで微量)。
普段からあんまり深く考えずに読んでるんで、今回も見事にだまされたーという展開で楽しかったです。ラストはラストでそっちなのかー、という落ち着き方で。後書き読んだら納得ですが、もう一つのラストもそれはそれで良かったのかなぁと思います。が……まあなんにせよとても好みでしたごちそうさま。このシリーズ、若干薄味ながらもやっぱり好きー。
そして花嫁は恋を知る 紅の沙漠をわたる姫
小田菜摘/椎名咲月
集英社コバルト文庫(2009.02)
ISBN:978-4-08-601262-1
【bk1/amazon】