薔薇の戴冠 クラシカルロマン / 華宮らら

本の感想, お気に入り, 作者名 は行華宮らら

王国最大の貿易港を持つカメリアパルクで育ったエタンセルは、亡き母の知人であるカメリアパルクの領主バシュレ子爵家の元で日々平和に過ごしていた。しかし、ある日エタンセルを王宮に迎えるべく死者がやってくる。病床の国王の唯一生き残っている直系がエタンセルであり、エタンセルを王位継承者として王宮に迎えることを国王が希望しているということを告げられたエタンセルは……

とてもロマンでした。今回はラブもちゃんとありました。面白かった!

クラシカルロマンシリーズ(シリーズ化したらしい)の二冊目。

前作の一世代前のお話で、地方で育ったお嬢様が実は王女!しかも王宮にあがって三ヶ月以内にお披露目!王宮には味方も多いが的も多く、彼女を苦々しく思っている有力貴族があからさまに怪しい!故郷にはわりといい仲だった幼なじみ、王宮には彼女の目付役でいやみったらしいクールビューティー、はたしてエタンセルの運命は!

というお話でした。
私の大好物のジャンルに「宮廷陰謀モノ」(ただし少女小説)というのがあるんですが、今回ドンピシャでとても満足いたしましたごちそうさま。前作が前作だっただけに(ラブ方面→種だけまいてあと放置)そこらへん全く期待していなかったのですが(なくても十分面白かったし……)、今回はそのあたりももかなり充実していて二重においしかったですごちそうさま。
ヒロインがとても健気ないい子で、そして賢いという読んでいてストレスの溜まらない展開。彼女を巡って争う(?)二人もどちらとも趣深く、すばらしい。当て馬じゃないのはいいです。話の展開自体も骨太で読み応えがありました。一歩一歩着実に進んでいくところはとても爽快なのですが、いろいろうまくいきすぎてそれはないやろ!もうちょっとのところで決定的な挫折とかはないのか?と思いながらもぬるめの宮廷陰謀モノが大好きなのでちょうど良かったです。

少女小説的宮廷陰謀モノ(ラブもあるよ!)を楽しみたい方にはとてもオススメの一冊です。次も楽しみだ!

img薔薇の戴冠 クラシカルロマン
華宮らら/石据カチル
小学館ルルル文庫(2009.07)
ISBN:978-4-09-452120-7
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